Written by 1:00 PM 日々のこと

安芸太田町の森林セラピーへ

先々週、部署が変わって座ってばかりになったという兄を誘って安芸太田町の森林セラピーへ。
安芸太田町にはいくつかの森林セラピーロードがあるんだけど(すごいな)、入門の深入山をガイドしてもらった。

※記事内に出てくる「森林セラピー」「森林セラピーロード」「森林セラピー基地」「森林セラピスト」は特定非営利活動法人 森林セラピーソサエティの登録商標です。

私が森林セラピーに興味を持ったのは「森ではたらく! 27人の27の仕事」の本の中で、小野なぎささんと「森林セラピスト」という仕事に出会ったことから。
私自身カウンセリングやコーチの仕事をしているので、「森で癒す人」という森林セラピストはどんな仕事なんだろう?私が好きな自然の中でセラピーやカウンセリングができるのかな?と、久しぶりに仕事関連でちょっと胸が高鳴った。

前回の記事(私たちのミドルエイジクライシス)で美郷町に移住体験に行った時のことを書いたんだけど、本を読んですぐくらいに美郷町の隣町である飯南町を走っていたら「森林セラピーの町」と道路脇に大きく書かれていて、「めっちゃタイムリーじゃん!こんな身近にあったんだ!」と驚いたものの、帰ってからよくよく調べてみると、なんともっと身近な広島県内にあったのだ(しかも約10年も前から)。つくづく人間は自分の見たいことしか見ないのだな、と改めて思った。

森林セラピーとは

森林セラピーは、林野庁による研究によって科学的に証明された森林浴のこと。
森には持つ私たちを癒す効果や健康に導く効果があるのは、みんななんとなく知ってるかもしれない。
安全だと認定された森林セラピー基地をガイドさんやセラピストさんと歩き、色々なプログラムを行うことで「森を楽しみながらこころと身体の健康維持・増進、病気の予防」を目的とした新しい森林浴なのだ。

森林セラピー®とは

普段なんとなく感じてはいるけど、自然の中はなぜか落ち着く、リフレッシュできるのは科学的な根拠があるんだよね。私たちがぼんやり過ごしている日々も実は細胞は毎秒81万個が生まれ変わっていて、ストレスを感じている時、リラックスしている時で脳波も全然違っている。そして脳波が変わると、なんと細胞も変わる。森の中に行くと、きっと体の中でいろんなことが起こってるんだなと思うと、とても楽しくなる(今一番やりたいのは脳波計を付けて森に行きたい)。

森林セラピー当日

前を歩く兄とガイドさん

森林セラピーガイドさんと兄。ガイドさんはなんと75歳!(60代前半だと思ってた)これまでたくさんの山に登られてきたそう。
そして兄にずっしり思いお弁当二つを持たせる私(お弁当も注文できる。めっちゃ美味しかった)

セラピー前に、電話でヒアリングをしてもらい(普段の運動量や、どうして申し込みをしたのか、どんなことを期待しているか、など)、コースを決めてもらう。
この日は森林セラピーのプログラムをするというより、山頂まで登ってみたいという私のリクエストを聞いていただき、深入山を頂上まで案内してもらった。

ガイドさんとはいこいの森広島での待ち合わせだったんだけど、受付先の道の駅で偶然にお会いできたのでそのまま合流。深入山へ向かううちに、お家の屋根に雪が積もっていたり、橋の上も雪が積もっていたり、あちこち白い景色に変わっていった。
登山口に到着すると、山もうっすらと雪化粧。予想以上の寒さに震えながらも血圧を測り、準備体操をして、いざ頂上へ!

最初は寒さに震えていたものの、しばらく歩くと体が温まってきて余裕が出てくる。
余裕が出てくると、森の色、匂い、音に敏感になり、体全体で自然を感じられるようになった。
この、体全体で自然を感じている時間が私はとても好きだと改めて思う。

落ちた松の葉の間に張った氷

落ちた松の葉っぱの間に張る氷の形が面白い。

岩にできた氷柱

岩に氷柱ができてるー!氷柱見るの何年ぶりかな?
とか思ってのんびり眺めて写真を撮ってると、どんどん二人に置いていかれる。

雪の登山道

「もう少し早く来たら紅葉がきれいだったけど、今日はカメラ持ってきても何も撮るものないでしょ」と言われたけど、雪のある山に登るのは初めてだったし、久しぶりに雪を見たので私としては大満足だった。

途中の八畳岩と呼ばれる岩のところから聖湖や、十方山が見えるのを教えてもらった。岩の先まで行く私と、後ろでヒヤヒヤする兄。子どもの頃とは逆転しているのが面白い。

頂上までの道

山頂に近づくに連れ、雪も多くなってたけど、なんとか無事に頂上へ。
頂上からはいろんな山が見えたけど、ガイドさんに「あそこに見えるのが三瓶かな」と言われると、雪の間は帰れない美郷が少し恋しくなった。

頂上は天気は良かったものの、風が強くて寒いので、少し降りた小屋のところでお弁当を食べる。
ガイドさんが用意してくれてたお味噌汁が温かくて、美味しくて、一緒にご飯を食べながら、ガイドさんのこれまでの経験や想いをたくさん聞けたこともとても心に残った。

霰の降る森の中

下山していると天気はどんどん変わり、あっという間に空は暗く、小さな霰が降ってきた。

基本的に曇りや雨の日が大嫌いなのだけど、山の中はすべてがきれいに見えてしまう。
再び休憩した途中の山小屋でコーヒーをいただきながら、その景色に見惚れてしまっていた。

森林セラピーを終えて

今回、森林セラピーがどういうものかが知りたくて申し込んだものの、私が頂上まで上がりたいと言ったのであまりセラピーらしいことはしなかったんだけど(最後にほんの少しの間瞑想したりくらいかな)、それでも森の景色、色、音、感触、すべてが私を癒してくれた。

この夏に見た映画(好きすぎて2回も映画館に見に行った)「アルピニスト」のマーク・アンドレ・ルクレールと恋人のブレットが森でテント暮らしをしているのを見て、この人たちは生活のすべてにおいて自然とひとつになっているんだなと感じたのを思い出した。私はまだその境地には行けないけど、もっと山と、自然と仲良くなりたいと思った。

自然は不思議な力を持ってると思う。そしてあらゆる力を持っていると思う。

森林セラピーに興味を持ったのは、この一年で仕事を通して様々な課題を感じたり、自分自身がモヤモヤしたから。
来年はその解決に向けて具体的に動きたいと思ってる。

そしてもっといろんな山に登ってみたい。

安芸太田町の森林セラピーはすごく人気のようで、企業研修などでも利用されているそう。
もう季節的に寒いけど、色々なコースがあるので興味がある方はぜひ癒されに行ってみて。

もりみんの森 森林セラピー|安芸太田町

私も、暖かくなったらまた違うコースを申し込んでみようと思う。

タグ: , , Last modified: 2022年12月12日
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