Written by 2:00 AM 日々のこと

女性の自立という言葉の見方を変えて自分の持っている力に気づく

2020年がもうあと半月ほどしかないことに驚きしかありませんが、今年は多くの人にとって大きな変化を求められた年だったかもしれません。

生活様式が大きく様変わりし、「コロナ離婚」という言葉が目立つようになりました。
家族と過ごす時間も増える中で自分とも向き合う時間も増え、自分らしく生きること、自分が本当に望むことに気がついた方も多かったと思います。

また、反対にこれまでよりも女性や子どもの自殺率が高くなっているというニュースも目立ち、いても立ってもいられないような気持ちになりました。

女性が離婚などの大きな選択をするとき、または困難にぶつかったときに「自立」という言葉が立ちはだかることがあります。
「女性の自立」という言葉はよく聞く言葉ですが、みなさんはどんなイメージをお持ちでしょうか。
わたしは離婚経験者のため、よく離婚の相談を持ちかけられることが多く、長い間「自立」という言葉はポジティブな意味として使ってきました。

自立という言葉に追い詰められない

そもそも自立とはどのような状態を指しますか?

わたしがずっと思ってきたのは「他者の援助を受けないで、自分の力で身を立てること」でした。

これは経済的自立を考えると想像しやすいかもしれません。
離婚をするのであれば、旦那さんのお給料はもらえなくなるので自分で最低限、自分の生活ができるように収入源を得るという考え方です。

精神的自立で言えば「自分で自分の心を満たすこと」と言われることが多いかもしれません。

この2つを想像したとき、みなさんはどう感じたでしょうか。

わたしは、経済的自立はしてきたつもりでしたが、精神的自立を必要とした時に感じたのは「自立=孤立」でした。

他者の援助を受けずに、自分の力で身を立て、自分で自分の心を満たせるようになる。

これができるようになれば、傷付くこともなく、感情の浮き沈みのない日々を過ごせるようになる、この先悟りを開いたかのような穏やかな日々を一生過ごせると思うでしょう。

わたしもそうでした。 今年に入ってからは特にこの願望が強くなり、本を読み漁り、人に話を聞きに行きました。
でも、一向に答えは見つからず、望めば望むほどに違和感と苦しさを感じるばかりでした。

それはなぜかと考えた時、無意識に「1人でなんか生きたくない」と思う自分がいたからです。

嬉しいこともつらいことも、美しい風景や刺激的な体験も、新しい挑戦やアイディアも、時々やってくる眠れない夜も、一緒にそれを感じてくれる人と共有したいと願う自分がいる。そこには1人では思いつかなかったようなことや感情が生み出される感動を知っているから。

人は生まれた時から愛を求めて生きています。
親から感じる愛、そして他者から認められること、必要とされることを感じられなければ、幼少期からのトラウマともなり心に大きな葛藤を抱えながら生きることになります。

他者から愛されたい必要とされたいと願う時に、それは依存だと言う人もいます。
依存はよくないことだと無意識に自分の中に刷り込まれているかもしれません。
だけど愛を求めること、必要とされたいと願う心は人間の本能ではないでしょうか。

だからわたしのように「自立しなさい=1人でも生きていけるようになりなさい」と言われると無意識のブロックがかかったり、違和感を感じるのは普通のことだと思うのです。
それに気づかないふりをして、自立しなきゃと頑張るほどどんどんと追い詰められていく気がします。

自分の持つリソースに気づく

では、自立とはどうすれば良いのか。

わたしが思うことは、自立とは「立ち直る力」だと思うのです。

人間として生まれてきた以上、困難にぶつかったり傷付いたり、意図せずともこれまで築き上げてきたものをゼロに戻される瞬間があります。
でも私たちは、他者と関わることを諦めたり挑戦することを辞めたりはしません。
心のどこかに希望を持って生き、どんな状態であっても、より良くなりたい、ここから脱したいと心の奥で渇望します。

自分の望まない状態になった時に、立ち直る術を持っていること。

こう書くと、それも結局できる人とできない人がいるじゃんって思われるかもしれませんが、立ち直る時には自分の持っているリソースはすべて使えば良いのです。

例えば友人などの助けてくれる人や会社、相談機関やもっと身近なことで言えば音楽や本、趣味、睡眠、必要な情報収集をすることなど。
人は自分が思うよりもずっと自分の中にリソースを持っています。 苦しい時には苦しいと言えること、助けてと言えること。依存してもカッコ悪くても、とりあえずそこから立ち直る。
その時に支えてくれる人や知識があるのはあなたの最高のリソース、財産です。

1人でなんて生きなくてもいいし、自分が立ち直ったら、あなたは誰かのリソースにもなれる。

自立できない自分を責めないこと、ダメだと思わないこと。 ダメだと感じたら自分のリソースを書き出してみてください。

リソースには内側のリソースと外側のリソースがあります。
内側のリソースは自分の長所や特技、知識、経験、人と違っているところ、外側のリソースは家族や応援してくれる人、ネットワークや物質、日本という国に住んでいることや文化でさえもリソースです。
紙に書き出すと、自分が思っていた以上に自分が持っているリソースに気付きます。

ちなみにわたしが離婚を決意した時は、自立はできていない状態でした。
まだ子どもが一歳にもならない時で、親権以外は放棄したので仕事もお金もなく、実家に戻りましたが実家でも安心して暮らすことができなくなってしまい、その時は母子生活支援施設の利用を検討し、何度も相談に区役所へ行きました。

自分や周りの人たちの力ではどうにもならないことはあります。 そんな時は国の力、行政のサービスの力を借りることも一つのリソースです。
(ちなみにわたしが相談した時は自分が住んでいる区の区役所での対応が散々だったので、別の区で無理やり相談しました。話を聞いてくれない人もいれば、どんな状態でも聞いて力になってくれる人は必ずいます。リソースは一つではありません。)

2020年は不安なニュースの多い年でした。 心を揺さぶられる出来事が多く、だからこそ自立しなければと感じた方も多いかもしれません。
でも、自立=孤立にならないよう、言葉の見方を変えてみてください。

自分の中のリソースに気づけたら、自分にもっと自信を持って、自分の思うままに生きていくことが選択できるようになるはずです。

2021年はその気持ちが実行できる、もっと自由に過ごせるような世界になりますように。
(早く海外に行きたい…)

タグ: , , Last modified: 2022年11月27日
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